紅葉なり かのもみぢなり いにしへも今も変わらず 水に映るは
水面に映る憂いの顔は私であって私ではない。気が遠くなるほどの昔にもそんな事を考えた気がする。紅葉散る季節に。
こちらも京都の紅葉名所・仁和寺参詣の時に作りました。美しいのは当たり前。この紅葉が悠久の時を超えて人々に愛でられるのはそれだけではないのでしょう。日本人の美意識はまだまだ捨てたものではありませんね。
くれなゐに 染まるやわ肌 濡れ髪をかきやりし手と 白い吐息と
愛しいから?怖いから?君に触れる手が震えてる。水滴さえも息を潜めて上気した頬を転がって消えて行く。
湯上りの姿というのは、なぜあれ程までに官能的なのでしょうか。肌も髪も、水分を含み柔らかくなる。それだけで十分、下手な小細工やメイクなど必要ないのです。
沈黙がうるさい程に突き刺さる リダイヤルする 勇気を下さい
黙らないで、見捨てないで。そんな言葉さえ言えない。ああ、静寂は喧騒と隣り合わせなのか。幻聴さえももう聞こえない。
正直、電話は苦手です。仕事でも私生活でも。顔が見えないから怖い、不安。沈黙が悲しい。受話器を通して聞こえる微かなノイズとか、かき消してしまう話題があれば困らないのに。
羽を捨て 都会の溝に堕ちた夜 堕天使よりも悪魔になりたい
純白の羽をむしり取り、誘惑の美酒に溺れた私を、それでもまだ「天使」という足枷で縛るのか。どんなにもがいても逃げられないように。
予期せぬ外泊をしたときなど、もうこのまま堕ちる所まで堕ちてしまいたいと考えます。むしろ朝など来なくて、ずっと闇に包まれたいと。自分の中にいる悪魔がそうやって誘うのです。
コートでもジャケットでもない 曖昧な季節の出口 先が見えない
明確な区切りなど無い、季節の境目に立ち尽くす。そんな僕らの未来もやっぱり曖昧で、適当な愛想笑いで過ぎてゆくのだろう。明日も、来年も。
暑いのか寒いのか、気まぐれな季節に振り回されます。そして、白にも黒にもなりきれない自分の未来に漏らす溜息は、秋風がかき消してしまいました。また冬が来るのです。
発熱の前の だるさに 似て非なる 始まりし恋の副作用かな
微熱と倦怠。確かに風邪のよう。違うのは、蝕まれたのが身体ではなく心だという事。そして医学ではどうにも出来ない事。
風邪も恋も突然襲い掛かるものです。自分の意思とは関係なく。目に見えないものの侵入に悲鳴を上げるのは身体なのか心なのか。まだわからない、初期の恋愛。
霧雨や 傘を閉じたり開いたり 優柔不断な 三度目の秋
柔らかな雨に濡れたいような。下ろしたての秋服を汚したくないような。どっちつかずの自分。秋風に決断を任せよう。
ある人との付き合いが3年目を迎えた秋、その安定感に不安がよぎりました。このままで良いのか、否か。傘も差さずに銀杏並木を歩いたものです。霧雨は時として、こんなにも心地よいのかと思いつつ。
今までに流した涙 悲しみは あなたに出会うための 代償
嗚咽、慟哭、絶望・・・凍結した私の心に温もりのしずくが落ちる。全てを溶かし、全てを忘れ、今あらたな時代が始まる。
「人生は誰もがプラス・マイナスゼロである」そんな言葉を聞いた事があります。マイナスがあるからプラスが存在し、またその逆も然り。だからこそ、希望を捨ててはいけないのだと思いました。
恋心 秘めて閉ざして 言えなくて 相も変わらず 愛はかなわず
私も、そして君も超能力者ではない。言わなければ伝わらない。伝わらなければ進まない。だから未だに叶わない。
言葉ではとても言えないから、メールで伝えようとしました。でも・・・送信のボタンなど押せなくて。単純な気持ちを伝えるのにどれだけ苦労すればいいのでしょう。本当に簡単なことなのに。
過ぎたこと 戻らないこと わかってる でも戻りたい君といた夜
自然の摂理は一通り知ってるつもり。時は流れる一方で、停止もせず当然後退もしないことも。わかっている、理解してるけど・・
ありもしないタイムマシンで架空の物語。後悔しないように生きているはずなのに、誰かを失った後というのは悔やんでも悔やみきれず、過去ばかりが懐かしく感じます。