番外編〜骨折り損の夏姫行列〜

今まで様々な装束関連のお祭・イベントに参加しました。どのお祭もスタッフ、ボランティアさんなど「縁の下の力持ち」として活躍してくれて、参加者の私達はとても助かりましたし、感謝の気持ちで一杯です。
しかし、中には例外もあります。時代衣装系の祭で唯一、参加したことを後悔しました。表に出そうか迷い続けましたが、敢えて書きます。

その祭は毎年名古屋で開催されています。あまり詳しく書くと特定されかねないので詳細は省きます。祭の名前は「夏姫行列(仮)」としておきます。
購読している新聞に「夏姫役・募集」の記事を見つけ、写真や簡単なプロフィールを添えて応募しました。一週間後くらいでしょうか。行列の主催者から葉書が届きました。ワクワクして読むと・・・
『厳正な審査の結果、貴方様は「準夏姫・お雪の方(これも仮名)に決定しました』
ポストの前でガッポーズですよ。「準夏姫で『方』がついてる役だから、そこそこの衣装や待遇なんじゃないかと。でもその淡い期待は事前に行われた説明会で全て打ち砕かれました。

葉書を持って説明会に行くと、同じように葉書を手にしている女性が数名いました。その人たちも「準夏姫」なんです・・・。皆「○○の方」って書いてあります。それに集まってきた参加者の平均年齢が異様に高い。おばさん・・・だけでなくおばあさんクラスの人がいるんです。
説明会が始まる時に突然「今から参加費を回収します」・・・え?今から??確かに参加費(5000円)が必要である事は募集記事の時点で知っていました。でも説明会当日に集金するなんて葉書には書いてありませんでした。
私は隣に座っていた同じ「準夏姫」の方と顔を見合わせました。「聞いてないですよね?」「・・・聞いてない」スタッフにその旨を伝えても「事前に知らせた」の一点張りでした。仕方なく払いましたけど後味最悪です。

程なくして説明会が始まりましたが、以下のことが発覚しました。

●当日は朝六時集合
●参加者は数百人と大規模である(そのほとんどが中年〜初老の女性)
●夏姫以外はカツラなし
●夏姫以外は徒歩。かなり長い距離を歩く。

この時点ですっかりテンション下がりました。それでもまあ、5000円取るぐらいだからそれなりに良い衣装かもしれないと期待して朝4時起き(自宅から集合場所まで結構遠いので。)で向かいました。
またまた現場で期待崩壊。到着して衣装着付け、メイクをかなり急かされて行ったんですがメイク係のほとんどが素人のボランティア。私の顔に恐る恐るメイクしながら「唯一の経験者」と思しき人に「こ・・これぐらい塗ればいいですか?」と不安げに聞いていました。こっちも不安です。
経験者風の人は「これじゃあ全然薄い。私がやります。」とバトンタッチ。確かにさっきの人よりも慣れた手つきだけどかなり雑に塗られてしまいました・・・こんなんでいいのか?
そして衣装。正直言って「これで5000円とるの?」という感じの見るからに「化繊です」というようなチープな着物。「準夏姫」の肩書きなどどこへ行ったのやら、ほかの「その他大勢の腰元」と同じでした。腰元でも岡崎「家康行列」みたいにかわいらしい矢絣模様なら納得ですがフツーの地味な花柄。それだけならまだしも、「局」のおばさんたちのが良い衣装で脱力しました。彼女らは着物(小袖)の上に一応「打掛」がありましたからね。
ヘアセットもひどい。適当に後ろでひとつに束ねられて前髪は無理やりセンター分けにされ、ハードスプレーでガチガチに固められました。そして市女笠(カツラ無しをごまかすため全員着用)被って杖持って完了。

他の「準夏姫」の皆さんと色々お話しましたが、誰もが「準」の肩書きに期待し、そして裏切られたのでご立腹の模様でした。家族に電話して「私ショボイ役みたいだから見にこなくていいよ!」と伝える人も。
スタッフはみんなピリピリしてるし主催の人は怖いババアだし(汚い言葉遣い失礼・・だってオバサンなんていう生易しいモノじゃないもの)すっごい後悔しました。

そんな感じで名古屋城周辺とかダラダラ行列していました。準夏姫ご一行、鬱です。近くに夏姫の夫となる若様役の男性(本人いわくパキスタン人似のハッキリした顔立ち)がいて色々雑談してわかったのですが、彼は私たちのように新聞なり何らかの媒体を見て応募したのではなく、主催者側と繋がりのある会社に勤めていて若様役を依頼されたようです。
すみません、肝心の夏姫役についてまだ触れてなかったですね。夏姫も一応「公募」という事になっていますが実際は最初から決まっているそうです。(チラッとスタッフから聞きました)。大体スポンサー関連のコネのようで、前年は某民謡団体の娘さん、今年は某有名なお寺の娘さんでした。

コネなら仕方ないです。こっちは5000円、スポンサーは少なくとも何十万は出してますから。夏姫役の人は着付け・メイクも別室だったし私たちの行列から結構離れていたのでほとんど見かけませんでした。(見た人によるとあんまり綺麗じゃなかたったとか。真相は知りません)
準夏姫役の一人が同行してるスタッフに我々が先ほどから考えている疑問をぶつけました。
「"準"夏姫って何なんですか?若様の側室みたいなものですか?」
スタッフいわく「行列の最中に夏姫を狙う悪党が出たら『姫様の代わりに私を斬りなさい!』という身代わり」だそうで・・・何それ・・・ジハードか?なんともくだらない立場なんだな、なんて思うと同時に貴重な休日を潰してしまった敗北感に襲われました。

朝早いもので行列が最終地点に到着した頃は眠くてだるくてさっさと終わりたい気分でした。今までのお祭りなどでは時間が経つのが惜しまれていましたけどね。本当はもっともっと書きたいことがありますし、写真も載せようかとも思いましたが何年も前の事をいまさらグチグチ書くのも見苦しいし、詳細を書きすぎて特定される→主催側からクレーム・・・なんていう流れも嫌なのでこれぐらいにしておきます。
あくまで私個人が嫌な思いをした、という前提なので全てを否定しようとは思っていません。ただ、これからお祭り等イベントに参加される方々には事前に確認してから応募されることを強くおすすめいたします。主催団体のHPなどである程度の情報は目にすることができると思うので。

以上、イベント中毒者からの忠告でした。



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