一世一代の晴れ舞台!故郷に錦を飾った家康行列


数あるお祭り・イベント等の中で私が一番参加したいと思っていた行事・・・それは地元の愛知県岡崎市で毎年4月に開催される「家康行列」である。
歴史に詳しい人ならご存知だと思うけど、岡崎市は徳川家康生誕の地。各地で家康公にまつわる様々な行事が開催されたりするけど、一番大規模で有名なのが「桜祭り」のメインイベントである「家康行列」なのだ。
鉄砲隊、槍隊、徳川四天王らを従えた凛々しい馬上の家康公、花を添える姫行列・・その戦国絵巻を見物に来る人々は毎年平均30万人!今まで参加してきたお祭りとは思いっきり桁違いである。
ちなみに、市政90周年&NHKドラマ「純情きらり」のロケ地になった年は特別で、例年一般公募の家康役に俳優の松方弘樹さん、一日警察署長(だったかな?)に女優の井川遥さん(純情きらり出演)を迎えて大いに盛り上がったと記憶している。その年の見物客は史上最多だったようで、「芸能人を一目でも見たい!」という野次馬根性が中途半端な政令指定都市の住民魂を現していた。

家康行列に登場するのは以下のメンバー。


徳川家康・本多忠勝・井伊直政・榊原康政・酒井忠次(徳川四天王)・水野勝成・岡崎三郎信康(家康の子息)・竹千代(幼少期の家康)
於大の方(家康の生母)・亀姫(家康の娘)・築山御前(家康の正室)・千姫(家康の孫)
源義経・浄瑠璃姫

よく見ると家康に関係ない人が・・・「源義経&浄瑠璃姫(じょうるりひめ)」とは一体・・・?私も数年前に初めて知ったのだが、岡崎には義経伝説があるらしい。以下「浄瑠璃姫物語」より引用。
 奥州を目指して東へ下る義経は、矢作宿で美しい姫君・浄瑠璃姫と恋に落ち、一夜の契りを結びます。しかし大事な旅の途中のこととて、義経は姫と別れて先を急ぎます。ところが蒲原(かんばら)宿(現静岡市)で重い病になり、浜辺へ遺棄されてしまいます。源氏の氏神八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)のお告げによって義経の危機を知った浄瑠璃姫は浜へとたどり着き、義経の亡骸(なきがら)をかき抱いて蘇生(そせい)を祈願します。祈りは届き、息を吹き返した義経は、身分を明かし、涙ながらに姫と別れ、再び奥州を目指し旅立ったのでした。

( ゚Д゚)ゴルァ!義経何やってんだよ!静ちゃんはどうした?それにどう見ても浄瑠璃姫、遊ばれてるし・・・。まあこんな古い都市伝説があるものだから行列メンバーに追加されたようで。ちなみにこの二人が追加されたきっかけは大河ドラマ「義経」。朝の連ドラ「純情きらり」といい大河「義経」といい・・・岡崎市観光協会はかなりNHKに影響されていると察した。受信料払ってますか〜?

この家康行列、参加資格は岡崎市在住・在勤の人。選考方法が恐ろしすぎる。毎年3月中旬に行われる「公開選考会」で大勢の人の前で自己紹介、意気込みをアピールするのだ。しかも地元ケーブルテレビで放送される・・・
ちなみにこの年、私が立候補したのは浄瑠璃姫。一番人気の千姫は絶対選ばれないので、知名度の低い浄瑠璃姫を選択した。その選択のお陰でありがたくも浄瑠璃姫役をゲット!選考会の壇上で自分が何を喋ったのか全く覚えていない。とにかく緊張していたのは確か。
運良く参加が決まった人たちは選考会終了後に写真撮影&地元ラジオのインタビューがあった。選ばれて嬉しい上に、ちょっとした芸能人みたいな対応に完全に酔っていた私。多分ラジオでも変な発言したと思う。

今回の家康役は誰もが知ってる大企業の社長さん。やや恰幅が良くて家康役にピッタリだった。この家康役、そして徳川四天王役は団体応募が条件。つまり、自分の他に足軽やら武将やら全ての隊列メンバーを自分で集めないといけないのだ。だから応募してくるのは家康役の人のような社長さんか何らかの団体(○○町青年団体とか)の人だけ。そんな事もあって、男性役で個人応募できるのは竹千代(小学校高学年)か義経だけである。
それから徳川四天王の一人である井伊直政役は「国際交流枠」みたいな感じで毎年外国人の方が務めている。この年は長身のモデルさんのような異国のイケメン貴公子が選出され、甲冑姿も楽しみだった。

写真撮影が終わった後、家康さんの会社の人から封書が配布された。参加者として選ばれた人たちは別の日に簡単な打ち合わせ(女性陣はカツラ合わせも)があるのだが、その日に行列の成功を祈る神社での祈祷、そしてホテルでの食事会を開くとのこと。さすが家康さん!太っ腹すぎる。
で、そのご祈祷当日。結構本格的な感じで一人ずつ玉串をささげたり終始張り詰めた空気に呑まれていた。
最後に神主さんが「この天井には龍がいます。皆さんの柏手(パンパンと手を叩くことね)でこの龍が鳴きます。」・・って神主のオッサン、いくら龍にゆかりのある神社だからってそりゃ無いよネタでしょ?なんて思いながら天井に描かれた龍の絵に向かって一同柏手。

次の瞬間、衝撃が走った!鳴いたのだ!龍が!なんかゴジラみたいな声で。ビビッてたのは小学生の竹千代くんと私だけ・・・仕掛けは簡単。音に反応するセンサーだったのだ。一瞬シェンロンが降臨したかと思った。つかもうぜ!ドラゴンボール♪

余談だけど行列参加者は地元新聞に写真、名前、年齢、勤務先が新聞に大々的に掲載される。当然、職場の人&患者の皆さんに色々と言われる訳で。まあ犯罪を犯して名前が載る訳ではないから良いけど。ただ、家族には「恥ずかしいからやめてくれ」と言われてしまった・・・

そして迎えた家康行列当日。この年の桜は開花が早かったので当日までに散ってしまうのでは、と懸念されたけど何とか持ちこたえてくれた。心配だった天気も見上げれば日本晴れ。柔らかな日差しに桜吹雪が色を添える・・・そんな絶好の行列日和だった。
準備が朝早いのはどんなイベントでも同じ。この日は午前8時に市内の施設に集合、そして当然ノーメイクで。いつものごとく(斎王まつりの時とか)帽子を目深に被った不審な姿で登場した私。メイクが始まるとテンションが一気に上がって落ち着かない。よく見るとカツラが並べられている。華やかな簪が光るのは姫君用であろう。

ヅラだけにズラッと並ぶ一人だけ時代が違う

役によって微妙に違うカツラ(左) 浄瑠璃姫だけ別物扱い(右)

ここでカツラについて言及してみたい。家康が活躍した時代は戦国〜江戸初期。女性の髪形はまだ結い上げず下ろしていたのではないだろうか?「お市」の肖像画のように。まあ細かいことは水に流してしまえホトトギス。

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