いつきのみや歴史体験館 平安婚礼体験


東海地方もめでたく梅雨入りした水無月十八日。雨の降りしきる早朝の名古屋駅で合流した私と貴輔中将様は近鉄電車で三重県明和町、いつきのみや歴史体験館へと旅立った。
二時間近い移動中、中将様に気を遣って喫煙車両に乗車した事を激しく後悔する私。隣席のト○タ自動車重役と思われる翁の副流煙にあぶられ、斎宮駅に到着する頃にはすっかりタバコ臭い女と化していた。

体験館の入口には「本日のイベント・平安婚礼」という看板が・・・。一般の入館者も見学可能なのだが、この悪天候でどれだけの人が来るのかは微妙である。
館長さんに挨拶をし、私は着付け・メイクのため更衣室へ案内された。一方、中将様は館長さんと共に別室へ。どうやら館長さん自らによる館内および斎宮の歴史解説を受けるらしい。VIP待遇である。着付け及びメイク担当の先生は、装束ファンなら一度は聞いた事があるだろう斎王まつりの衣装も担当しておられるとの事。折りしもこの日の一週間程前に斎王まつりが開催されたようで、裏話などもほんの少し聞かせていただいた。

メイクはシンプルである。そして驚くのはカツラ。事前に髪の長さを申告するのだが、その理由は「全カツラ(頭全体を覆う一般的カツラ)」か「付け毛」どちらを使用するか長さによって異なるからだった。私は当時肩下10cmぐらいだったため付け毛使用となった。この付け毛が先生のオリジナルらしく、数々の変身スポットに行った私も始めて見るものであった。鏡が無く、詳しい仕組みは不明なのだがおそらく二種類のウィッグを組み合わせていると考えられる。まず、襟足に付けるタイプのウィッグを装着し全体の長さを足し、肩甲骨辺りで一つに束ねる。そこに部分ウィッグ(参考写真)を継ぎ足して王朝風のロングヘアを完成させるという技であった。

付け毛
こんな感じです。説明が下手でごめんなさい。

ヘアメイクが終わると今度は女房装束の着付けに取り掛かる。今回は体験館が所有する二種類のうち、夏物を着用。直衣と同様に女房装束も文献を元に製作されており、「佐竹本三十六歌仙絵巻」の小大君の装束がモデルになっている。詳細は以下の通り。

唐衣萌黄亀甲向蝶綾裏小菱紋様
表着萌黄白小葵紋地 三色臥蝶丸紋綾裏付
打衣赤無地綾裏生絹
五衣雲立枠紋紗 紅梅襲裏無地紗
萌黄幸菱紋紗 掛衿付
長袴紅無地紗 袷仕立
三重菱紋様 大腰 小腰 引腰付
檜扇三十二橋彩色

まあ簡単に言えば全体的に黄緑で、涼しげな素材という事。とは言え、冷房の無い更衣室ではさすがに暑かった・・・。私の着付けが終わる頃、中将様が呼ばれて以前私も着用した道長モデルの直衣に衣替え。前回の「時代や」での光源氏と違って男性はメイク無しだが、そのままでも十分にお似合いではないか。余談だが個人的には烏帽子よりも今回のような冠が好きである。一応夏物装束の私に引き換え、中将様の直衣は冬物。暑いやら眠いやら、一体自分はここで何をしているのだろう・・・そんな思いが彼の脳裏に渦巻いていたに違いない。

直衣着付け
こちらの着付けは若く麗しい女性が担当。良かったですね(・∀・)

先ほどまで館内に響いていた地元の小学生とおぼしき集団の声もいつしか消え、何となく厳粛な空気が漂いつつある中、雅楽の調べと共に偽結婚式・「平安婚礼」が幕を開けた。(こういう書き方すると有○川宮事件のようだが・・・)

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